行く先　５ 人里から少し離れた高台にある古びた家屋。 そこが二人の家。 取り急ぎ家を出てきた二人には、きちんとした家を借りる金は無かった。 その家は随分と手入れがされていなかったらしく、 辺りは雑草が生い茂り、玄関は立て付けが悪く、 部屋は湿気てかび臭い。 それゆえに、家賃はほぼただ同然で、 そのほか家にあるものは好きに使っていいと言われた。 片付けや掃除をし、何とか住めるようになった。 立て付けが悪い戸だとか、雨漏りがしそうな屋根など 修理せねばならない箇所は山ほどあったが、それは徐々に直していけばいい。 縁側で月を眺めるキラに声を掛けた。 「冷えるから、ほら部屋に入ろう、今日は疲れたろ？」 縁側の戸を閉め、キラの手を引き一室しかない部屋へ入る。 「あ」 「どうした？」 突然立ち止まり、意味のなさない一言を発したキラを見た。 そこにあるのは一組の布団。 正確には一組しかないのだが。 家賃を払うのでさえ難儀な二人に、布団を買うことは出来なかったのだ。 この布団は元々この家に残されていたもの。 「ぼ、僕はこっちで寝ますから。着物を掛ければ寒くないですしっ…」 そういって布団とは囲炉裏を挟んだ反対側へ行こうとするキラの腕を 強く引っ張り布団の中へと押し込んだ。 そしてキラの上へと覆いかぶさる。 「やっと手に入った」 「・・ムウ・・さんっ・・・」 「俺とお前はもう主従関係じゃないんだぜ」 「でもっ・・」 逃がすまいと、キラの腕を捕らえる。 「な、キラ、後悔・・・してるか？」 言いたくなど無かったが聞かずにいられなかった。 あのままあの屋敷で働いていれば、貧しさに苦しむことなどないのだ。 だが今は違う。 何の職を持たない男について来て。 こんな廃屋とも言うべき家に住んで。 もしかしたら食べるものにも困るかもしれない。 考えていなかったわけじゃない。 でもそれでもキラを独占したいという自我の為に。 伏せられていた瞼が開けられて、紫暗が現れた。 「・・ません・・・後悔なんて・・してませんっ」 「キラ」 「・・あなたと一緒に居られて・・・嬉しいです」 「ずっと一緒だ---キラ」 「はい・・・」 二人の誓いと共にされた口付けは、またしても涙の味がした。 「・・・ん・・っ」 目じりから頬、首筋、鎖骨へと施される口付け。 やや桜色に上気した肌は、まだ少年らしさを色濃く残す。 浴衣を肌蹴させるとそこには、二つの小さな胸の飾り。 口付けの所為でなのかすこししこり立つそれを口に含み、 もう一方は指でつまんでやると、キラの口からはまた嬌声が零れた。 「あぁッ・・・ゃ・・・」 「キラ・・」 キラの名を呼ぶ己の声に情欲が現れているのを知り、苦笑した。 少年と言えども、子供ではない。 その証拠である浴衣の膨らみを擦ってやる。 「ア！！・・ぁっ・・」 既に用を成さない帯を抜き取った。 「ァ・・だ、ダメぇっ・！！」 すっかり立ち上がり雫を零し始めたそれを、迷わず口に含んだ。 びくんと痙攣する内股を宥めるようにさする。 「やぁッ・・ダメっ・・ゃア・・」 嫌と駄目を繰り返し、キラの亜麻色の髪が布団の上でぱさりぱさりと何度も跳ねた。 それでも構わずに、裏の筋まで舌で愛撫をする。 「ムウさんッ・・む、ムゥ・・さ・んっ・・汚・・ぃ・・からっ・・・」 「汚くなんてない・・・綺麗だよ、キラ」 根元から先端へ向けて口付けを施す。 一つずつ愛を込めて。 これ以上に無いくらい膨らんで、筋が浮き出る。 もう限界なのだろう、そう思い全体を全て口に含んで吸い込んだ。 「---あぁぁぁッ！！」 激しい快楽の為に意識が飛びかけていたが、 こくりとムウが何かを飲み干す音が聞こえ我に返る。 『何か』なんて曖昧なものではない。 それは間違いなく自分が出した精液---。 しかしそれを恥ずかしがる間もなく、次が与えられた。 「・・あぁっ・・ァ・やぁッ・・・」 恥ずかしい液を零す、更にその奥。 自身でも見たことの無い秘所。 内股を金色の髪がくすぐり、生暖かい蠢くものが秘部に這わされる。 ぴちゃぴちゃという水音と、自分の喘ぎ声だけが狭い部屋に響く。 「あ！！」 固いものが自分の中に入ってきて、そして中を動き回った。 自分の中を探るように。 そのうちに、一本、また一本とそれは増やされていく。 苦しくて。 もう、やめて。と言おうとしたその時。 「ン、アァッ！！」 「キラ…ここ、か？」 再び同じところをぐいと押されると、体がまた大きく痙攣した。 頭の中に火花でも飛んだのかというような、その刺激に キラは何度も喘いだ。 ←前頁 次頁→