それでも僕は貴方に囚われている<中編>
連れてこられたのは医務室、ではなく、トイレの個室だった。
「あぅ…ァ・・」
ヴヴヴ・・
「あぁッ!!」
「こら、そんなに声出したら気づかれるぞ?」
背後から抱きすくめられて、耳元でイジワルな言葉を囁かれる。
逃げ出したいけれど、抵抗できる余裕が僕にはない。
スラックスは足元で固まり、口からはだらしなく涎がたれてしまっている。
そして何より、僕は…ローターを埋め込まれているのだから。
ヴヴ・・ヴヴヴヴ・・・
「っ。・・・ァア・・やめッ・・」
不規則なバイブレーションに耐え切れずに流れ出す、涙、涎、そして精液。
懇願しても、貴方はスカイブルーを怪しく光らせ、
ローターのリモコンを止めようとはしてくれない。
「そう簡単に抜くわけないだろ?これはオシオキなんだから。」
--------オシオキ。
僕は、上司であるムウさんと付き合っている。
このことは、会社では秘密なのだ。
だから、会社ではお互いをフラガさん、ヤマト君と呼び合うことにしている。
ムウさんは、とても優しい。
本当はこんなことする人じゃないんだけど、
最近ムウさんのこういった一面が見られるようになった。
その原因は…アスランだ。
彼は、成績優秀で、ライバル会社から引き抜きでうちの会社に来たのだ。
僕と、彼は10年ぶりに再会した幼馴染で、
懐かしさのあまり、つい社内でも彼との想い出話に花が咲いてしまう。
それをムウさんは、快く思わないのだ。
昨晩、アスランと食事に行った。
昔話に夢中になって終電を逃し、昨日はアスランのアパートに泊めてもらったのだ。
そのまま出勤しても良かったのだけれど、ムウさんが心配すると思って
始発で一旦帰宅した。
その時は、何も怒っている様子もなくて、
いつもどおりムウさんを先に見送った。
同じマンションに住んでいるけれど、バレないように出勤は別々なのだ。
仕事中も特にいつもと変わりは無かったから、怒っていないと思ってた所へ
昼食後ムウさんに呼び出されのだ。
「ちょっ・・な・!!・・・んぅっ・・・」
呼び出された会議室に入るなり、突然口付けされた。
激しいキスに、僕は脳を溶かされたようになって。
気づいた時には両手を拘束されて、ムウさんにお尻を突き出す格好をしていたのだ。
そして。
「やッ!!・・ムウさんッ!!あぁっ!!!」
何の準備もしていないソコヘ埋められた異物。
「っ・・ム・ウさん・・ヤダ・・な・にッ?」
「何ってローターだよ。いつもこれよりも太いのを飲み込んでるんだぜ」
たいしたことないだろ?と口端をあげて笑っていたけど、ムウさんの目は笑っていなかった。
そして、更に追い討ちをかけるような冷たい言葉。
「それとも、昨晩咥えてたアスラン・ザラのはオレのより太かったのか?」
「そッ!そんなッ!僕とアスランはそんなんじゃ!!」
ピピッピピッ
僕とムウさんのお揃いの腕時計が、同時に午後1時を告げた。
「勤務時間だ。キラ。早くオフィスに来いよ」
そうムウさんは冷たく言い放ち、僕は会議室へ取り残された。
それから、僕がオフィスの自席までなんとかたどり着いた。
体の奥にはローターを咥え込んだままで。
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