夜空 <後編>






真夜中に外にでるには少し肌寒いかも知れない。
そう思い、ぼくはブランケットを手に目的の場所へと向かった。
約束の時間より少し早いかな?と思いつつも、
早く少佐に逢いたいという気持ちが歩を速める。


D地区倉庫倉庫横の木の下。

実はココは僕たちの秘密のデート場所だ。
自室のある施設からは少し遠いけど、ココなら昼間でもあまり人が来ることは無い。
今までにも何度かココで逢ったことはあるけれど、
夜中に待ち合わせするのは今日が初めてだ。
思ったよりも辺りは静まり返っていて、怖い気もするけれど、
満月に近い月の明るさと、少佐に逢える喜びであまり気にはならなかった。







「キラ。」

「少佐っ。」

約束の場所に着けば、既にフラガ少佐は来ていた。
腕を引かれて、僕は向き合うように少佐の膝に座る。
どちらからともなく、僕たちは逢えなかった時間を埋めるように互いの唇を求めた。
歯列を割って侵入してきたムウさんの舌に、僕も精一杯応える。
そして長めのキスを解いた後も、まだ唇を触れ合わせたまま
僕たちは互いの他愛の無い話に花を咲かせた。





<ココって女性のエンジニアがたくさんいるから、うちの整備班の手が止まってな。>
<それってフラガ少佐もでしょ。>
<バカ言うなよ、俺はマジメに--->。
<僕見ました、女性スタッフに囲まれてるところ。>
<誤解だって!>
<ホントに?>



向かい合った体勢から、今は毛布をまとったフラガ少佐に後ろから抱きこまれ、
僕は斜め後ろにあるそのキレイな青い瞳を見つめた。

「こんなに可愛い恋人がいるのに、他人なんか興味ないぞ。」

そういって僕の目じりにキスを落とし、そしてそれは僕の耳やうなじへと移動する。
少しくすぐったかったけれど、とても気持ちよくて。
「少佐。」
僕の呼びかけに、ん?とキスを止めずに応えるフラガ少佐。



「好きです。」



綺麗な月や幾千万と言う星が瞬く夜空でさえも、貴方の前では全てが霞んで見える。
この世に貴方以上のものなんてあるはずが無い。
月明かりに照らされて更に眩しい貴方の金色の髪。
夜空に浮かぶダイアモンドよりも、貴方の中のブルーサファイアが好きだ。
どんなに高価な香水よりも、少し煙草の匂いがする貴方に包まれていたいし、
どんなに高級なカシミアの毛布よりも、貴方の胸の中が一番暖かい。


再びフラガ少佐の視線と僕のそれとが合わさった時、
僕の一番欲しい言葉を貴方が囁いてくれた。




「俺も好きだよ、キラ。」




そうして芝生の上に敷かれたブランケットの上に、僕は寝かされた。
次に与えられるものは、もう解っている。


僕が一番幸せを感じる時間。
それは、僕と少佐で共有しないともたらされない。
もう直ぐ与えられる貴方の灼熱に、僕の身は打ち震える。
静寂な夜空を背にするフラガ少佐に僕は手を伸ばし、
そして僕たちの影は一つとなった。




背徳な関係であるかもしれないけれど、
僕たちの愛は決して壊れることはないと、この神聖な夜空に僕は誓う。


end



 全然御題と関係ないというか、無理矢理こじつけたという感じに
なってしまいました(汗)
 そしてどうも屋外萌えが治まらない様子な私(ぇ)
 お題も残り少なくなってきましたね。頑張るぞー!
まだまだフラキラで。一人でも寂しくフラキラで(涙)
 だって好きなんだもん、フラキラが。
2004.10.17


        












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